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次の公式訪問都市フォルツハイム市(バーデンビュルテインベルク州)は、ドイツ南西部の州都シュトゥットガルトの西50kmに位置し、フランスとの国境のカールスルーエ市とのちょうど中間ぐらいの位置にあります。
人口11万5千人、小さな家内工業(金細工)が2,000軒ほどあるそうです。
その昔、バーデン公爵夫人が子供たちに教会で金細工を教えたのがそもそもの始まりで、後に金細工の町として世界的に知られるようになりました。
ドイツの中程度の町で、近年は失業率が高くなっているとの話しでした。 またこの装飾品製作に関連した化学薬品使用のため、カドミウム、水銀等の汚染問題が発生し、町の中心を流れるエンツ川の再生に知恵をしぼり対策を講じることとなったそうです。

フォルツハイム市は、ウォーム川、ナーゴルド川、エンツ川の3つが合流しており、エンツ川の再自然化をテーマにした取り組みの説明を、川辺を歩きながら受けました。
【ドイツのごみ収集車】
エンツ川は洪水氾濫を解消するために、1900年に、それまで曲がっていた川を直線的な石堤防にし、川の段差をつくり、川底も石を敷き詰めたことなどにより、河川の浄化作用が弱まり自然環境が壊れてしまい、微生物等がいなくなり魚の住めない川になったそうです。
1992年の造園博覧会の開催決定を受けて、エンツ川の再自然化をテーマに、1986年から河川の改修工事を開始しました。
その設計上の規制としては、土手は残すこと、洪水にならないような処置(最大600㎥/秒)などのほか、川の流れをより自然なものにするために、川を非対称的な形に設計にして1/40のモデル(川底、川の流域、中州)を作り、実験したうえ、取り組んだということです。
また、この計画は水利局と一般企業が設計し、長さ1.8km、工事期間を1990年から1991年の間の10か月間とし、費用は400万マルクをかけて自然を復元するようにしたものです。
川岸の補強のため地元の柳の枝を植え、川の急な流れのところには木の杭を打ち、柳を束にして土止めを施しました。
その結果として、下流に新たな自然の中州が形成されたり、多くの生物、植物、昆虫、魚、鳥あるいはこの地には以前いなかった鳥や帰化植物が芽生えたりという大きな成果が得られているということです。
水質についても、工場排水規制等が厳しくなった事により大幅に改善され、過去12年間で重金属が90%以上少なくなったそうです。
また、エンツ川、ウォーム川について自然保護法が適用されたことなども改善された大きな原因という説明でした。
エンツ川の再自然化については、水利局(行政)と市民が協力して推進したことが成功に繋がったと強く感じました。
なぜならば、設計段階から市民と対話し、意見を取り入れ、工事に関しては、市民もボランティアで参加したことで工費を大幅に減らすことになったからです。

またドイツでは、河川に堰を作る場合、魚が通る場所を設けるように義務づけられるなど、災害に強いといわれるコンクリートの河川でなく、自然浄化を期待した河川改良に取り組んでいます。
【エンツ川の魚道】
近年、日本においても、自然浄化を考慮した河川改良が計画されてきており、洪水や水利対策だけでなく、環境保全の観点から河川改良が進められる時代になってきています。
しかし、去年のように台風の影響から全国各地で水害が多発し多大な被害を目の辺りにすると、環境保全と水利対策のどちらに比重をかけていけば良いのか今後の大きな課題だと痛感しました。
フォルツハイムの水環境は豊かで、水道水も飲めるとのことでしたが、シュトゥットガルトのホテルなどの水道水は硬水なので飲まない方が良いと言われました。
飲料水としての環境は、日本がやはり一番なのでしょう。
日本も水環境が悪くなれば、ヨーロッパ並みにミネラルウォーターを常時購入して飲むことになる時代が来るかも知れません。
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